川崎汽船は17日、2050年までの環境目標を発表しCO2排出量を11年比で半減させるなどの指針をまとめました。天然ガスやバイオ燃料と いった重油以外の燃料の利用や生態系の保護などの方針も取り入れました。中長期の環境目標を公表するのは同社として初めてです。海運業界で環境規制が強化されるこ とをにらみ、自主的な取り組みを進めます。
船舶の燃料では、天然ガスや燃料電池、再生可能エネルギーなどを「新エネルギー」と位置づけ、50年には過半を占めるまで引き上げます。ITを活用した省エネ運航を検討するほか、船の排ガスから生じる硫黄酸化物や窒素酸化物を一段と削減することにも取り組みます。
中間目標として、中期経営計画の最終年度にあたる19年にはCO2排出量を11年比で10%減らします。液化天然ガス燃料船の導入などを検討します。 17日に記者会見した有坂俊一常務執行役員は「(海運業界の環境対応の面で)主導権を握っていきたい」と強調。同社の競争力の強化につなげる考えを示しました。
(日本経済新聞)