国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、各国の研究機関が開発した20種類以上の計算方法を参考に、将来の気温や水資源量(降水量から蒸発量を除いた利用可能な水量)などを予測しています。しかし、気温に比べ水資源量の予測は難しく、アマゾン川流域では湿潤になるという結果もあれば、減少して乾燥するという結果もありました。
チームは、世界各地で観測された水資源量の地域分布と、これらの計算方法の結果を比較。最も現実に近い結果を算出する計算方法を選ぶ手法を開発し、アマゾン川流域に適用しました。
その結果、現在より気温が1度上昇すると、雨雲を発生させる大気の流れが変わって、水資源量は年100ミリ以上増えますが、中下流では最大で年300ミリ以上減る可能性のあることが分かりました。今世紀末までにブラジルの気温は3度程度上昇するとのIPCCの予測をあてはめると、年間1000ミリ近くの水資源量が減ることになるそうです。
流域では毎年1200ミリの水資源が供給され、多様な動植物の生息を支えてきました。理科年表によると、アマゾン川の長さは6516キロ。流域面積は705万平方キロで、日本の20倍弱、オーストラリア大陸にほぼ匹敵し、世界最大です。国立環境研究所の塩竈秀夫特任研究員(気候変動学)は「軽視できない減少量だ。豊かな水資源は人類の生存に欠かせない。今後、日本をはじめ世界各地の変動予測に役立てたい」と話しています。
(毎日JP)
世界有数の熱帯雨林が広がるアマゾン流域は、CO2を大量に吸収する「地球の肺」の役割を果たしていますが、焼畑による開墾やパームヤシの栽培などで、毎年17,000km2(四国と同等の面積)の森林が消失していると言われていますが、温暖化の影響で雨量も減り、更に森林も減少するという悪循環を経たねば取り返しの付かない事になりますね。
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