カーボンオフセット基本用語集(アイウエオ順)


 

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)
気候変動に関する政府間パネル。地球温暖化問題に関する科学的、技術的、社会経済的な知見について各国の研究者が議論するため、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設置された機関。IPCC は、これまで3回にわたり評価報告書を発表してきた。これらの報告書は、世界の専門家や政府の精査を受けて作成されたもので、「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)」をはじめとする、地球温暖化に対する国際的な取組に科学的根拠を与えるものとして極めて重要な役割を果たしてきた。

オフセット・プロバイダー
市民、企業等がカーボンオフセットを実施する際に必要なクレジットの提供及びカーボンオフセットの取組を支援又は取組の一部を実施するサービスを行う事業者をいう。

温室効果ガス(GHG:グリーンハウスガス
地球の大気に蓄積されると気候変動をもたらす物質として気候変動枠組条約に規定された物質。
二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(一酸化二窒素/N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFCs)、パーフルオロカーボン(PFCs)および六フッ化硫黄(SF6)の6つを指す。

温室効果ガスの排出削減・吸収量(クレジット)
温室効果ガスの排出を削減又は吸収するプロジェクトによって実現された排出削減・吸収量。第三者機関によってその排出削減・吸収量が認証されているものとそうでないものがある。一般的に、何らかの排出量取引制度に基づいて発行される排出枠とあわせて「クレジット」と総称される。

温室効果ガス排出量の「見える化」
食品のカロリー表示のように、どのような行為からどれくらいの温室効果ガスが排出されるのかを数量で具体的に表示することによって「見える化」し、市民、企業等が自らの排出量を把握しやすくすることをいう。

カーボン・ニュートラル(炭素中立)
市民の日常生活、企業の事業活動といった排出活動からの温室効果ガスの排出量と、当該市民、企業等が他の場所で実現した排出削減・吸収量がイコールである状態のことをカーボン・ニュートラル(炭素中立)という。カーボンオフセットは、市民の日常生活や企業の事業活動におけるカーボン・ニュートラルを実現するための手段であり、排出量を全量オフセットされた状態がカーボン・ニュートラルとなる。

カーボン・マイナス
市民の日常生活や企業の事業活動により生じる温室効果ガス排出量に対して、当該市民、企業等が他の場所で実現した排出削減・吸収プロジェクトによる排出削減・吸収量、購入したクレジット量等の合計が上回っている状態をいう。

間伐
混みあった森林から曲がったり弱ったりしている樹木を抜きぎり、 森林の中を明るく保ち、 真っ直ぐ育てる為に必要な作業。間伐を行わない森林では樹木の生長がにぶく、根を張ることも難しくなり、森林の中は暗いため下生えも生えないので、水源涵養力、土壌保全能力の低い森林になる。特にスギ・ヒノキなどの針葉樹では根が浅いため、土壌が減ると倒木の危険などが発生する。

管理簿(レジストリ)
クレジットの発行、保有、移転等を正確に管理するために電子システムにより整備する管理台帳をいう。例えば、国際的に流通する京都メカニズムクレジットは、京都議定書に基づいて加盟国等が整備する電子システムである国別登録簿によって同一番号の京都メカニズムクレジットの二重記録等を防止している。

京都議定書で約束した6%削減目標
気候変動枠組条約は、大気中の温室効果ガスの濃度の安定化を究極的な目的とし、地球温暖化がもたらすさまざまな悪影響を防止するための国際的な枠組みを定めた条約(1994年3月発効)であり、1997年12月に京都で開催された「気候変動枠組条約第3回締結国会議(COP3)」において京都議定書が採択された(2005年2月16日に発効)。京都議定書は、二酸化炭素(CO2)など6種類の温室効果ガスについての排出削減義務などを定めた議定書のことであり、1990年を基準年として温室効果ガスを先進国全体で5.2%削減することを義務づけるとともに、CDM( Clean DevelopmentMechanism : クリーン開発メカニズム) やJI ( JointImplementation:共同実施)、排出量取引からなる京都メカニズムという仕組みも導入された。この京都議定書において、日本を始めとする先進各国は、第1約束期間(2008〜2012年)における温室効果ガスの累積排出総量を一定量以下に抑えなければならないことが規定された。日本は、第一約束期間中の累積排出総量を、基準年(1990年)排出量から6%を減じた94%を1年分とし、それを5倍(5年分)した量以下にしなければならない。

京都メカニズム
京都議定書に定められる排出削減目標を達成するに当たり、自国内での排出削減以外の目標達成手段を用意することによって目標達成手法に柔軟性を持たせるため、京都議定書に規定されたメカニズム。クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism:CDM)、共同実施(Joint Implementation:JI)、国際排出量取引(International Emissions Trading)の3つを指す。

京都メカニズムクレジット
京都議定書に定められる手続に基づいて発行されるクレジットをいう。この京都メカニズムクレジットは、京都議定書に基づく削減目標達成のために用いられるものであり、
1.各国の割り当てられるクレジット(Assigned Amount Unit,AAU)
2.共同実施(Joint Implementation,JI)プロジェクトにより発行されるクレジット(Emission Reduction Unit, ERU)
3.クリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクトにより発行されるクレジット(Certified Emission Reduction, CER)
4.国内吸収源活動によって発行されるクレジット(Removal Unit, RMU)
の4種類がある。

国別登録簿
地球温暖化対策推進法に基づき、日本政府(環境省及び経済産業省)が整備する、京都メカニズムクレジットを管理する電子システムをいう。京都議定書附属書Ⅰ国はすべて、この国別登録簿を作成、維持することが義務づけられている。具体的には、この国別登録簿上で、京都メカニズムクレジットの発行、保有、移転、償却、取消等を管理しており、日本の国別登録簿は、2007年3月からクレジットの法人保有口座の開設を受け付け、同年11月から気候変動枠組条約事務局が整備した国際取引ログ(異なる国の国別登録簿を電子的に接続するシステム)に接続している。

クレジットのダブルカウント
ダブルカウントとは、クレジットの購入によって排出量を埋め合わせる場合に、ある一つのクレジットが複数の異なる排出活動を埋め合わせるのに用いられることをいう。

コベネフィット
公害問題の改善と温室効果ガスの排出削減といった2つの効果を同時に実現することができること。経済成長を続ける途上国等においては、大気汚染、水質汚濁、廃棄物管理等の公害問題が優先順位の高い課題であることが多いが、公害対策の中には温室効果ガスを削減する効果もあるものが多くある。公害対策と温室効果ガス削減といったような2つの効果を同時に実現できる対策・プロジェクトには途上国の関心も高い。このような温暖化対策とのコベネフィットが期待できる分野は、公害対策に限らず、経済社会発展の実現、貧困の削減、自然環境の保全等も含まれる。

国民運動
市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等さまざまな主体がそれぞれ地球温暖化対策に取り組むことをいう。京都議定書目標達成計画では横断的施策として「国民運動の展開」を位置づけており、事業者、国民などの各界各層の理解を促進し、具体的な温暖化防止活動の実践を確実なものにするため、政府は経済界、NPO、労働界、研究者等と連携しつつ、知識の普及や国民運動の展開を図ることとしている。

国内クレジット制度
経済産業省が2008年秋から開始。国内に於いて、大企業の資金・技術により中小企業が排出を削減した場合、当該大企業がその削減量を自らの削減分として自主行動計画等に反映させるしくみ。

自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)
自主的に温室効果ガスの削減目標を立てて排出削減を行う企業を対象として、試行的な国内排出量取引を実施する制度。環境省が2005年度から開始。具体的には、自ら定めた温室効果ガスの排出削減目標を達成しようとする企業に対して、補助金を交付することにより経済的インセンティブを与えるとともに、当該企業が自らの排出削減だけでなく排出枠の取引を活用することにより削減目標を達成することができるというもの。

自分ごと
地球温暖化問題は自らの行動に起因して起こる問題であると認識するとともに、地球温暖化防止対策が進まなかった場合に世界に起こる事態を我がこととして捉えることをいう。市民一人一人のライフスタイル・ワークスタイルの不断の見直しを促すためには、温室効果ガス削減を自分のこととして意識することが重要である。

J-VER(オフセットクレジット)
国内における排出削減・吸収活動によるクレジットを活用し、国内の排出削減対策の推進に貢献するとともに、市民、企業等がカーボンオフセットをより身近なものとして認識活用するため、環境省が認証運営委員会を設置し、国内排出削減・吸収プロジェクトにより実現された温室効果ガス排出削減・吸収量をオフセット・クレジット(J-VER)として認証する制度。

償却・取り消し
カーボンオフセットクレジットを登録簿上の償却口座へ移転することをいう。京都議定書では、日本を含む京都議定書附属書I国が削減目標を達成したかどうかは、実際の第一約束期間中(2008年〜2012年)の排出量と償却口座内のクレジット量の比較により判断される。
取り消し口座は、移転されたクレジットが地球全体のCO2削減に寄与するが、各国の削減目標としてカウントされない償却口座とは別の口座。

第4次評価報告書
IPCCは、定期的に温室効果ガスによる気候変動の見通し、自然、社会経済への影響評価及び対策の評価を実施している。第4次評価報告書は三つの作業部会報告書と統合報告書から構成されている。2003年に各作業部会の報告書骨子案を検討し、2004年に執筆者・査読者等を選択し執筆を開始した。その後複数回にわたるドラフトの査読者及び政府によるレビューを経て2007年2月から順次作業部会報告書が公表され、11月17日に統合報告書が公表された。この統合報告書を含む一連のIPCC 第4次評価報告書は、第2約束期間以降の国際的枠組交渉のスタートラインとなる重要な基礎資料であり、統合報告書の主要な結論は以下の通りである。
1.気候システムの温暖化には疑う余地がなく、大気や海洋の全球平均温度の上昇、雪氷の広範囲にわたる融解、世界平均海面水位の上昇が観測されていることから今や明白である。
2.人間活動により、現在の温室効果ガス濃度は産業革命以前の水準を大きく超えており、20 世紀半ば以降に観測された全球平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高い。
3.現在の政策を継続した場合、世界の温室効果ガス排出量は今後20〜30年増加し続け、その結果、21 世紀には20 世紀に観測されたものより大規模な温暖化がもたらされると予測される。
4.気候変化に対する脆弱性を低減させるには、現在より強力な適応策が必要である。適切な緩和策の実施により、今後数十年にわたり、世界の温室効果ガス排出量の伸びを相殺、削減できる。
5.適応策と緩和策は、どちらか一方では不十分で、互いに補完しあうことで、気候変化のリスクをかなり低減することが可能。既存技術及び今後数十年で実用化される技術により温室効果ガス濃度の安定化は可能である。今後20〜30 年間の緩和努力と投資が鍵となる。

低炭素化
ライフスタイルの見直しや事業活動の変更等により、生活や事業活動から発生する温室効果ガスの排出を少なくすることをいう。低炭素社会化石エネルギー消費等に伴う温室効果ガスの排出を大幅に削減し、世界全体の排出量を自然界の吸収量と同等のレベルとしていくことにより、気候に悪影響を及ぼさない水準で大気中温室効果ガス濃度を安定化させると同時に、生活の豊かさを実感できる社会をいう。

二重記録
カーボンオフセットクレジットは、1トンごとに異なる番号を付されて管理されている。二重記録とは、同一番号のクレジットが同時に異なる口座に記録されてしまうことをいう。

排出削減・吸収の確実性・永続性
商品、サービス、イベント、自己活動等からの排出量が確実に埋め合わされていることを担保するためには、排出削減・吸収プロジェクトにより確実な排出削減・吸収があり、かつこの排出削減・吸収が将来にわたって永続的であることが必要となる。例えば、植林プロジェクトによる温室効果ガス吸収量でオフセットすることとしても、実際に植栽された樹木が天災などで枯死してしまった場合には、想定していた吸収量は発生しないため、排出量が確実に埋め合わされていることを担保するためには、1t-CO2のクレジットや排出削減が、実際の1トンの温室効果ガスの削減・吸収に裏打ちされている必要がある。

バウンダリ
カーボンオフセットにより埋め合わせる対象となる活動の範囲をいう。カーボンオフセットを行うに当たっては、どの範囲の行為・活動からの排出量を埋め合わせるのかを決定し、その排出量を算定する必要がある。例えば、会議・イベントの排出量を算定する場合、主催者側の活動のみを算定の対象とするのか、参加者が目的地まで移動する際の排出量まで含めるのか等を事前に決めないと、当該会議・イベントからの排出量を埋め合わせるのにどれくらいの量のクレジットの購入等が必要かが決まらないことになる。

VER(Verified Emission Reduction)
京都議定書、EU域内排出量取引制度等の法的拘束力をもった制度に基づいて発行されるクレジット以外の、温室効果ガスの削減・吸収プロジェクトによる削減・吸収量を表すクレジット。VERについては、いくつかの民間団体が独自の認証基準を有している。

無効化
オフセットで使用したクレジットが再販売・再使用されることを防ぐために、無効にすること。例えば、京都メカニズムクレジットの場合、国別登録簿上の償却口座又は取消口座に移転すると再度それらの口座から持ち出すことはできないため、無効化されることになる。

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