政府は、29日の臨時閣議で、内閣の重要課題の1つである「地方創生」の実現に向けて、魅力ある就業機会の創出や、出産や育児に希望が持てる環境の整備などを基本理念とする「まち・ひと・しごと創生法案」を決定しました。
安倍総理は、29日に召集された臨時国会を「地方創生国会」と位置づけ、その実現に向けた取り組みを本格化させる考えで、政府は29日の臨時閣議で、「地方創生」の基本理念などを定めた「まち・ひと・しごと創生法案」を決定しました。
法案では、基本理念として、▽魅力ある就業機会の創出、▽結婚や出産、育児に希望が持てる環境や、▽仕事と生活の調和を図るための環境の整備など、7項目を掲げています。そして、総理大臣を本部長として、すべての閣僚が参加する「まち・ひと・しごと創生本部」が、具体的な目標や施策の方向性などを定める「総合戦略」を策定し、施策の実施状況の検証も行うとしています。
総理は29日午前、官邸で記者団に対し、「この国会は、地方創生と女性の活躍が2本柱だ。国民の皆さまに分かりやすい説明を心がけて、この国会を通してアピールしていきたい」と述べました。
政府は臨時閣議で、地域の活性化に意欲的な地方自治体が財政支援などを受けやすくする、地域再生法の改正案も決定し、「地方創生」の実現に向けて、「まち・ひと・しごと創生法案」とともに臨時国会で早期に成立させたい考えです。
石破大臣「速やかに成立を」
石破地方創生担当大臣は、臨時閣議のあと記者団に対し、「法案さえつくれば魔法のように何でもできるわけではないが、この法案の成立がまず急がれる。国会で十分、審議したうえで、速やかに成立を図るべく努力したい。今までの国と地方の関係や、国の政策遂行の仕組みなどを大きく変えるもの だということを、法案審議を通じて国民に明確に伝わるようにしたい」と述べました。
(NHKニュース)