バフェットも買収 送配電ビジネスが脚光

 日本では電力事業の裏方的な存在だった送配電ビジネスが、海外でにわかに注目を集めています。米投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは今月、カナダの送配電企業を約29億ドル(約3千億円)で買収。東芝も仏アルストムの送配電機器事業の買収に興味を持っています。

 国内では現在、東京電力など大手電力が手がける送配電事業の分離議論が進んでいます。バフェット氏も目を付ける送配電ビジネスの「うまみ」とは何なのか、海外の事例を探りました。

 バフェットが買収したカナダのアルタ・リンクは発電所で作った電力を遠方の変電所まで送る「送電」と、変電所で電圧を弱めた電力を一般家庭や事業所に配る「配電」事業を行っています。2002年設立のアルタ・リンクは280の変電所と総延長1万2千kmの送電線を抱え、同州の人口の85%をカバーする主力事業者です。

 同社の13年の通期決算は売上高5億3000万ドルに対し、最終利益は1億6000万ドル。利益率は30%。一般的に送配電事業者は発電事業者が発電した電力を小売事業者が抱える電気利用者に届け、送配電網の利用料を徴収する。

 変電所や鉄塔など設備投資はかさむが、安定した収益が見込めるビジネスです。実際、リーマン・ショックに伴う米経済危機が世界に波及した08~10年にかけても、アルタ・リンクは17~21%の利益率を保ったそうです。

 長年送配電をになってきた電力会社にとっては日本で培ったノウハウを海外展開する余地があるほか、機器メーカーは海外に直接打って出ることもできます。日本でも送配電ビジネスに注目が集まる機会が増えそうです。

日本経済新聞

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