米海洋大気局(NOAA)は21日、ハワイのマウナロア観測所で測定した大気中のCO2平均濃度が、16日から5日連続で大台の400ppmを超えたと発表しました。
同観測所では昨年5月に、1958年の観測開始から初めてCO2濃度が400ppmを超えました。地球温暖化による危険な気温上昇を防ぐには濃度を400ppm未満に抑えるのが望ましいとされており、危険水準に入ったことがあらためて示されました。
大気中のCO2濃度は、植物の光合成が活発になる春から秋にかけて下がり、活動が低下する冬から春に上昇します。昨年より約2カ月早い大台超えに、 NOAAの研究者は「化石燃料からの大気中へのCO2排出が続く以上、この傾向は続く。来年はもっと早い時期に400ppmを超えることになる」と警告しています。
NOAAによると、平均濃度は3月16日に400.13ppmを記録し、19日の401.28ppmを最高に20日まで連続で400ppmを超えました。
NOAAは「今年も5月がピークで402ppmに達し、来年は404ppmに上昇する。400ppmを超える時期も毎年早まる」と予測。温暖化の深刻な影響が避けられなくなる水準は「分からない」とした上で「化石燃料から排出されるCO2を80%減らせば濃度上昇を止めることができる」と指摘し、思い切った温暖化対策の必要性を訴えました。
(東京新聞)