三菱重工業は5日、アラバマ州の石炭火力発電所に設置したCO2回収実証試験プラントを日本の報道陣に公開しました。2011年に運転を開始し、12年夏以降に回収した約7万5千トンのCO2を地中約3キロに高圧で送り込んで貯留したとしています。【写真:三菱重工業が設置したCO2回収実証試験プラントの高さ約70メートルの吸収塔=5日、アラバマ州モビール近郊 河北新報】
石炭火力は天然ガス火力より発電量当たりのCO2排出が多く、地球温暖化を加速する懸念があります。米電力大手サザン・カンパニーのバリー発電所に設置した三菱重工のプラントは実証プラントとしては世界最大級。排気中のCO2を高さ約70メートルの吸収塔の内部で特殊な液体を使って回収します。
ただ回収プラントを含めると本来は割安な石炭火力の発電コストが、ガス火力より高くなるのが課題となっています。三菱重工の岡添清事業部長は「地中に貯留するだけでなく、古い油田にCO2を注入して原油を採掘しやすくするなどの有効利用が考えられる」と説明しています。
オバマ米大統領は6月に、CO2回収・貯留設備を伴わない海外の石炭火力発電事業への政府融資を行わない方針を表明しました。世界銀行などの国際金融機関にも石炭火力への融資を控える動きが広がっています。
(Sankei Biz) (河北新報)
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