西松建設は、コンクリート二次製品メーカーの日本興業(香川県さぬき市)、大分工業高等専門学校の一宮一夫教授、山口大学の池田攻名誉教授と共同で、製造時に大量のCO2を発生するセメントを使わずに、高分子材料(ジオポリマー)で製造するコンクリート製品を開発しました。第1弾として外構ブロック「ジオポリー」を製品化し、さぬき市内の小学校の外構工事に初採用したとのこと。
ジオポリマーは、火力発電の副産物であるフライアッシュ(石炭灰)や、製鉄所の高炉で発生するスラグ微粉末を特殊な溶液で固化した材料。セメントコンクリートと同等の圧縮強度を発現できるといいます。
西松建設によれば、一般に1tのセメントを製造するのに約700kgのCO2が発生します。この量は、建設分野で使う資材の製造時のCO2排出量全体の約6割を占め、資材のなかで最も多くなります。
セメントの代わりにジオポリマーで構造物を建設する場合、CO2排出量を約8割削減できるといいます。また、フライアッシュや高炉スラグ微粉末以外にも、都市ごみ焼却灰溶融スラグや下水道汚泥溶融スラグを使えます。これは副産物の有効活用につながります。
固化成分にカルシウムが少ないので、酸に対する抵抗性が高く、アルカリ骨材反応が発生しにくいという特徴もあります。
ジオポリーの価格は、同等のセメントコンクリートブロックの1.5~2倍。西松建設は、ジオポリマーはセメントに比べて割高ですが、環境負荷低減効果やセメントにない特性を生かした新しい技術を、総合評価落札方式の入札の技術提案などでアピールしていく考えです。ジオポリーは日本興業が販売するとのこと。
(日本経済新聞)
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