日本政府、排出権の海外購入中止

 2008〜12年に1990年比で温室効果ガス(GHG)の排出を6%削減という京都議定書の目標達成のため、政府や各企業が進めてきた海外からの排出枠購入について、政府はこれまでの調達分で打ち止めとし、今後は、国内での排出削減を強化する方針を決めました。


 海外からの排出枠の購入は、現在、政府が1500億円かけて1億トン、電力業界は2.5億トン、鉄鋼業界は5600万トン分を購入済みです。電力・鉄鋼分は8000億円程かかったと推計されています。

 日本の08年度のGHG排出量は、計画通り-6%(森林吸収3.8%、企業努力0.6%、排出権購入1.6%)を達成しましたが、これはリーマンショックによる経済低迷によるもので、07年度の同8.5%増の13億6900万トンを考えると今年以降は安心できません。

 電力会社は、原子力発電所の稼働で排出削減を進める方針ですが、なにかとトラブルの多い原発は、予定通り稼働しない場合に備え「さらに数千万トン分の排出枠の追加調達が必要」(経済産業省)といわれています。

 しかしCDM(クリーン開発メカニズム)とよばれる海外の排出権は、一部でチャイナ・ドリーム・メカニズムと揶揄されるように、BRIC'sと呼ばれる経済成長の著しい途上国での開発がほとんどで、国内資産や先端技術の海外流出につながる、という意見もあります。

 このため政府は、今後の調達分は国内産のクレジットに振り向ける方針を決め、まず電力会社に購入を要請することにしました。

 今後、経済産業省、環 境省、農林水産省は協力して、国内でのクレジットを開発していく方針を掲げました。


 排出権取引によって、世界全体で排出増大速度のブレーキ機能が発揮されることは、間違いのないことですが、同時に国 内での削減努力を積み上げてカウントできる仕組みが重要だと思います。これから国内クレジット、J-VERクレジットなど国内での細かい削減努力を積み上 げていくことが肝要だと思います。

読売新聞

地球環境研究センター


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