炭堆肥でCO2削減

立命館大地域情報研究センターが亀岡市追分町、保津町の農地(約1ヘクタール)で、木炭や食品炭の交じった堆肥(たいひ)を地中に埋め、5種類の農作物を育てる実験に取り組んでいる。

農業の過程などで排出される生物由来の廃棄物を炭化させ、地中に埋めることで二酸化炭素(CO2)の発生を減らすのが狙い。

育った作物は「クールベジタブル」と名付けてブランド化を図りたい考えだ。

育てるのは小麦、稲、ネギ、小松菜、大豆。実験では炭の割合を3分の2、半分、3分の1、ゼロと変えた堆肥を用意し、苗とともに地中に埋めた。

肥料は通常、窒素やリンなどの栄養分を含んでいるが、炭を交ぜても基本的に害はないという。実験では2010年秋まで栽培を続け、地中に炭が含まれていない場合との比較や、最も作物が育つのは、どれぐらいの含有率なのかなどを調べる。

農業の過程では、もみ殻や枯れ草など生物に由来する様々な廃棄物が出る。これらを自燃により炭化させ、堆肥に交ぜて地中に埋めれば、廃棄物を燃やして処理する場合と比べてCO2の発生を大幅に減らすことが期待できるという。実験には、亀岡市や府、龍谷大、京都学園大などが協力し、トヨタ財団(東京)が820万円の資金提供を行う。

柴田晃・立命館大地域情報研究センター産官学コーディネーターは「廃棄物に含まれる炭素を二酸化炭素ではなく炭にして地中に閉じこめてしまうアイデア。海底などに封じ込める実験もあるが、より手軽に取り組めるメリットがある。府民の皆さんには今後、クールベジタブルの積極購入で応援してほしい」と話している。

CO2の地下貯留(CSS)は普及段階の技術だが、このような「生物由来の廃棄物を自然により炭化」させることが可能とはなかなか考えが及ばないので、実験結果に期待したい。
【読売新聞】

トラックバックURL: http://green-plus.co.jp/green-plus.co.jp/mt5/mt-tb.cgi/305

メルマガ購読・解除 国内外のカーボンオフセットニュース一週間ダイジェストのメールマガジン
読者購読規約を確認

バックナンバー
powered byまぐまぐ!

アーカイブ

Creative Commons License
このブログはクリエイティブ・コモンズでライセンスされています。